ヤメ検
まだ冬のコートは着ていませんが、朝にはそろそろ着ても良いかなぁと思いながら過ごしています。
さて、社会的に話題性のある刑事事件で、弁護士がヤメ検のときがあります。ヤメ検とはかつて検察庁で検事だった人で、退職後、弁護士になった人のことです。いわゆる検察OBの弁護士です。TVのワイドショーのコメンテーターで登場する人もいたりして、幅広く活躍しています。
在職中、検事として注目の裁判を担当したエース級の人は、退職後は引く手あまたの売れっ子弁護士になります。有能な上に、古巣の検察の手の内を熟知しているし、担当検事はかつての同僚や部下だったりすることもあるので、裁判で闘うには心強い味方になると思われているからです。
特に、暴力団関係者はヤメ検好きが多く、そんな縁から『闇社会の守護神』と呼ばれ、人気のあったヤメ検もいました。弁護士たる者、依頼人の利益のために最善を尽くすことがその職務なのは分かりますが、『闇社会の守護神』ともなると私のような凡人の理解を超えています。
税務署OBも、一定の条件はあるものの退職後に税理士になれます。税務署OB税理士はヤメ税とは呼ばれませんが、毎年たくさんのOB税理士が誕生します。検事は、通常は司法試験に合格していて元々弁護士資格のある人なので、元々は税理士資格のない税務署員の場合とは事情が若干異なります。
それはともかくとして、最近、都内のとある税務署の署長を務め、退職後に税理士になった人の講演を聞く機会がありました。まだ税理士になってホヤホヤです。税務署OBの場合は元××税務署長、元××等々現役時代の肩書がその人の看板になります。検察庁のことは良く分かりませんが、税務署はある意味ムラ社会です。OBの話は、そんなムラ社会の内輪話もあり、時に興味深いものがあります。
税務署でも検察庁でもOBとして活躍する人は、現役時代にムラ社会の中で埋没することなくそれなりに頭角を表し、実績を残した人です。現役時代から鳴かず飛ばずの人は、OBになったらもっと深く埋没してしまい、存在感はないでしょう。
どんな組織でも、組織の中で鳴かず飛ばずうだつの上がらない人はいますが、そんな人に限って不平タラタラ文句だけは一人前です。自分の無能さを棚に上げ、組織の批判しかしません。そんな人が転職をすると、次の職場では「前の会社も酷かったけど、ここよりまだマシだった。」と言い出します。いつまで経ってもその目が自分自身に向けられることはないので、問題は自分の側にあることに気づきません。
OBになっても輝ける可能性のある人とは、今自分がいる組織の中で輝ける人なのでしょう。そうであるなら、今の仕事に全力投球するのは、未来の自分の為でもあります。輝くべし!