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灰色のサイ - 税理士法人水垣会計パートナーズ|東京都足立区・葛飾区の会計・税務事務所

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今月のコラム

灰色のサイ

カテゴリ: 今月のコラム 作成日:2021年11月10日(水)

 11月に入って、晴天が続いています。今年はやたら雨が多い印象がありますが、このところ気持ちの良い青空の日が多くなり、日に日に秋の深まりを感じます。自宅近くの神社の銀杏も黄金色に色づき始めています。緊急事態宣言が解除され、魔法のように新規感染者数は減少し、急速に日常が戻りつつあります。

 1年半以上も続いた新型コロナウイルス旋風は、企業経営において『黒い白鳥』です。かつて、2008年に起きたリーマンショックは『黒い白鳥』と言われ、世界経済に未曽有の危機をもたらしました。以来、企業の危機管理意識が高まり、事業継続のためのリスク対策に目を向ける契機になりました。『黒い白鳥』とは、白い白鳥はいても黒い白鳥は目にすることがないように、めったに現れず、あらかじめ予測不可能な危機を言います。

 しかし、喉元過ぎれば何とやらで、いつ起こるか分からない危機に備え、普段からリスク対策を徹底し、更には強化して行くことは簡単ではありません。どうしても目先の事が優先されてしまいがちで、いつ起こるか分からないリスク対策は後廻しになります。

 リスクの中には、『黒い白鳥』以外にも、『灰色のサイ』があります。サイは、普段はおとなしいので、おとなしい動物と油断しがちですが、いったん暴れだすと手に負えなくなります。世の奥様方のようですネ…? 『灰色のサイ』とは、日常的に存在するが、普段は何ともないような潜在的なリスクを言います。見過ごされやすいリスクです。

 中小企業にとって新型コロナウイルスが『黒い白鳥』だとすれば、銀行借入金は『灰色のサイ』です。『黒い白鳥』は飛び去っても、『灰色のサイ』は依然として居残り続けています。

 中小企業は、とかく財務基盤が脆弱なため、コロナ以前から銀行借入に依存する傾向が顕著で、慢性的に借金過多でした。それにも拘らず、コロナの直撃を受け、緊急避難的に融資を積極的に活用しました。どうやって返済するかは先の話で、今はそんな事を言っている場合ではないという論理が優先されました。やむを得ない台所事情は理解できますが、事情のいかんに関わらず、借金は借金です。コロナの終息で日常が戻れば、目一杯に膨らんだ銀行借入金という『灰色のサイ』が目覚めます。

 無利息・無担保の借入金はあっても、無返済の借入金はありません。据置き期間が終われば、先送りしていた返済が始まります。一難去ってまた一難。経営者にとって心の休まる時がありませんが、それが現実です。

 『灰色のサイ』が目覚めるのは止められませんが、暴れ出し、その角で怪我をしないよう、対策を講じなければなりません。そのためには『黒い白鳥』で傷ついた本業の建て直しが急務です。白鳥やサイに負けぬよう、頑張りましょう。

 

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