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約束手形 - 税理士法人水垣会計パートナーズ|東京都足立区・葛飾区の会計・税務事務所

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今月のコラム

約束手形

カテゴリ: 今月のコラム 作成日:2021年02月24日(水)

 今、会計事務所は確定申告の繁忙期ですが、そんな中、いよいよというべきか待望のというべきか、新型コロナウイルスのワクチン接種が日本でも始まりました。まずは医療従事者への先行接種ですが、自分の番が回ってくる頃までには、河野大臣の言うベネフィットとリスクに関する情報も増えていることでしょう。現時点では、4月になって高齢者の順番になれば、パスせずに粛々と接種を受ける予定です。ワクチンが皆の救世主となってくれることを期待しています。

 さて、先日の新聞記事によれば、経済産業省は2026年を目途に紙の約束手形を廃止する方針だそうです。まだだいぶ先の話なので、とりあえずは実務的な影響はありませんが、紙の手形は中小企業にとっては縁があるので、感慨深いものがあります。

 手形取引は、明治時代の手形交換所以来の日本独特の商慣行だそうですが、廃止の目的は中小企業の資金繰りを圧迫しがちな商慣行なので、その改善のためだそうです。もっともらしい目的ですが、資金繰りの圧迫は手形を受取る側からすればそうかもしれませんが、手形を発行する側からすればそうではありません。それに、紙の手形は廃止するが電子手形は廃止しないとなると、何だか判ったような判らないような屁理屈としか思えません。紙でも電子でも資金繰りを圧迫すると言うのならその本質に変わりはないはずです。紙の手形を取り扱っている金融機関の事務負担が軽減するだけです。

 中小企業では受取手形があると、取引先に裏書譲渡するか、銀行で割引するのが一般的です。財務内容のしっかりした会社であれば、受取手形は支払期日まで手持ちして、取立に回します。また、支払手形は、振出日から支払期日まで支払いを先延ばしする効果があるので、一度支払手形を利用すると途中から現金支払に変更するのは何かと大変です。ともすれば財務の不安定な中小企業にとっては、まるで麻薬のように支払手形から抜け出せなくなりがちです。中小企業はともかくとして、今では、大企業のほとんどがファクタリングや電子手形に移行して紙の手形は発行していません。そのおかげで、大企業にとっては紙の手形に貼る収入印紙代の削減だけでも相当のコストダウンになっています。

 収入印紙と言えば、銀行は企業に対して短期資金の融資を手形貸付にすることが多く、企業は期日が来るたびに新たに収入印紙を貼った新期日の手形に差し替えなければなりません。企業にとっては、期日毎に手形を何度も転がす必要があり、そのたびに金利だけでなく収入印紙代も負担しなければならず、ツライ立場です。手形は債権者保護が徹底しているので、銀行にとっては重宝ですが、銀行はどう対応するのでしょうか?

 また、経済産業省では、これまでは最長120日だった手形サイトを、2024年を目途に半分の60日以内に短縮する方針だそうです。手形サイトの短縮は2026年の紙の手形の廃止に先行することになります。手形そのものが明治時代の遺物であり、日本独自の商慣行で世界的に通用するものではないので、この際思い切って手形制度そのものの廃止まで踏み込んで検討しても良いように思います。手形廃止に賛成1票。

 

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